草原が育み、草原を守る「阿蘇放牧あか牛」

阿蘇の大観峰への道すがらにあか牛が草原の草を食む姿をご覧になったことはありますか?阿蘇外輪山は、標高約900mの山々が連なり阿蘇五岳を囲んでおり、寒さの残る3月に「野焼き」が行われ、その姿は真っ黒になります。阿蘇の風物詩とも言われるこの光景は1000年もの間、地元の人たちが先祖から受け継がれ守ってきた草原の管理方法で、世界農業遺産にも認定されています。真っ黒の山肌からは新緑が芽吹き始め、5月には一面の緑が覆う草原へとなっていきます。

新芽が芽吹き始めると「夏山冬里方式」で育てられる放牧あか牛は、草原へと放たれます。阿蘇外輪山を代表する風景のひとつである放牧されたあか牛は、好んで新芽を食べゆっくりと移動しながら1日に50kg近い草を食べながら暮らしていきます。ストレスなく広大な阿蘇の草原で新芽を食べ、阿蘇久住山系の湧水を飲んで育つ「放牧あか牛」は、病気にもなりにくく、余分な脂肪がつかない良質な肉質に育ちます。

冬を過ごす牛舎では、草原に育った牧草をたっぷりと与えられ、粗飼料も食べたいだけたっぷりと与えられるのが大きな特徴で、遺伝子組み換え飼料や農薬使用の飼料は与えないアニマルウェルフェアという考えのもと飼育されています。

FEDERICOでは、この放牧あか牛のランプとサーロインとフィレの3つの部位を名物のビステッカで提供しています。草原でストレスなく育ったあか牛は、良質な肉質と程よい脂肪により絶妙なバランスの味わいを醸してくれます。炭火で豪快に火を入れるビステッカとの相性も良く、あっさりとしながらも甘みすら感じる肉汁は草原の草を食べて育った放牧あか牛ならではです。

サーロインの方がやや脂肪が多い部位ではありますが、それでも放牧あか牛ならではの肉本来の旨味と決してしつこくない脂肪とのバランスがとてもよく、炭火焼きの香ばしさも相まって赤ワインとの相性も抜群です。是非ともそのまま何もつけずにひと口楽しんでいただけたらと思います。肉らしいお肉を好まれる方にはランプのビステッカをお薦めしています。あっさりとして噛めば噛むほどにお肉の味わいが口いっぱいに広がります。中でもフィレはあか牛1頭からわずか3%しか取れない希少部位でもあり、赤身ながらも柔らかくあか牛本来の旨味を楽しむことができます。さらに、フィレの中でも中心部にあたるシャトーブリアンも数に限りがありますがご用意しております。

それぞれがそれぞれの味わいを持ち、炭火で最適な焼き加減に調理することで大切に育てられたあか牛本来の甘味や旨味をお楽しみいただけます。